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裸の大将のほーりーのレビュー・感想・評価

裸の大将(1958年製作の映画)
4.0
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします🙇⤵️

新年一発目はあまり視聴する機会が少ない作品をチョイス

『裸の大将』といえば何と言っても芦屋雁之助の印象が強いが、元祖・山下清を演じたのは小林桂樹。

役作りのためまだ存命だった山下清画伯に付きっきりで観察をし、仕草、口調、そして体型までも似せたという。

しかも小林桂樹はこれやお得意のサラリーマン役以外にも、山口瞳、正木ひろし、藤枝梅安、しまいには東條英機までも演じ、この人こそ日本一のカメレオン俳優だと思う。

そんな小林さんの代表作である『裸の大将』だけど、色々な制限があるらしくDVD、Blu-ray、動画配信はされず、ずっと昔にVHS化されたっきりという不遇の作品でもある。

これは昔に新文芸坐で観たが、小林桂樹の名演技に場内、拍手喝采だったのを覚えている。

確か小林桂樹出演百本を記念して作られた作品だったと思うが、オールスターキャストで加東大介、三木のり平、有島一郎、市村俊幸、千葉信男、森川信、内海突破、柳家金語楼と当時の喜劇スターが勢揃いしている。

そして極め付けがラストのクレイジーキャッツとコロムビアトップ・ライトの競演。最初観たときは感動しましたね。

単なる人情喜劇ではなく、純粋無垢な山下清の視点から矛盾に満ちた戦中・戦後の日本の姿をシニカルに描いた作品だった。

それにしても本作を観た思ったのが、昔の人の方が障碍者に対してもストレートな言い方をしているが、配慮配慮で色々気にして付き合いになっている現代人より本音で付き合ってるような気がする。

■映画 DATA==========================
監督:堀川弘通
脚本:水木洋子
製作:藤本真澄/市川喜一
音楽:黛敏郎
撮影:長井朝一
公開:1958年10月28日(日)
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