裸の大将の作品情報・感想・評価

「裸の大将」に投稿された感想・評価

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします🙇⤵️

新年一発目はあまり視聴する機会が少ない作品をチョイス

『裸の大将』といえば何と言っても芦屋雁之助の印象が強いが、元祖・山下清を演じたのは小林桂樹。

役作りのためまだ存命だった山下清画伯に付きっきりで観察をし、仕草、口調、そして体型までも似せたという。

しかも小林桂樹はこれやお得意のサラリーマン役以外にも、山口瞳、正木ひろし、藤枝梅安、しまいには東條英機までも演じ、この人こそ日本一のカメレオン俳優だと思う。

そんな小林さんの代表作である『裸の大将』だけど、色々な制限があるらしくDVD、Blu-ray、動画配信はされず、ずっと昔にVHS化されたっきりという不遇の作品でもある。

これは昔に新文芸坐で観たが、小林桂樹の名演技に場内、拍手喝采だったのを覚えている。

確か小林桂樹出演百本を記念して作られた作品だったと思うが、オールスターキャストで加東大介、三木のり平、有島一郎、市村俊幸、千葉信男、森川信、内海突破、柳家金語楼と当時の喜劇スターが勢揃いしている。

そして極め付けがラストのクレイジーキャッツとコロムビアトップ・ライトの競演。最初観たときは感動しましたね。

単なる人情喜劇ではなく、純粋無垢な山下清の視点から矛盾に満ちた戦中・戦後の日本の姿をシニカルに描いた作品だった。

それにしても本作を観た思ったのが、昔の人の方が障碍者に対してもストレートな言い方をしているが、配慮配慮で色々気にして付き合いになっている現代人より本音で付き合ってるような気がする。

■映画 DATA==========================
監督:堀川弘通
脚本:水木洋子
製作:藤本真澄/市川喜一
音楽:黛敏郎
撮影:長井朝一
公開:1958年10月28日(日)
一

一の感想・評価

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小林桂樹の名演と問答みたいな冴えてる台詞で延々楽しい。戦後、焼けた共同便所を修理して住む山下一家。「一遍焼けちゃってんだから消毒できてんだよ!」と豪語する三益愛子がほんとたくましい。息子にも娘にも小銭をがんがんせびるし。
yuka

yukaの感想・評価

3.6
ここぞというショットを撮る意志はなさそうで、ただ穏やかな時が流れた
csm

csmの感想・評価

5.0
桂樹の山下清はもちろん、駅舎の乞食集団や精神病院の面々も最高。人目も気にならないし40過ぎたらコジキがイイって。焼け残った共同便所に住む三益愛子、「1回焼けたんだから消毒できてる」ってかっこよすぎます。
mingo

mingoの感想・評価

4.1
素晴らしい画質のニュープリント!!小林桂樹の代表作といっても過言ではなく、山下清のりうつってるだろ!てくらい最高の演技で映画を彩る桂樹に脱帽の一本。役作りのために山下清と行動を共にし彼の言葉をテープにとって徹底的に練習し、ビール飲みまくってビールっ腹までそっくり真似た入魂作。
「人は普通に死んだら仏様で戦争で死んだら神さまになるんだなあ」「女の人はお金もらって裸をみせるのに僕は裸になったら牢屋に入れられたんだなあ」と気づきの発言の連発に感極まる。僕はおにぎりが好きなんだなあて有名なフレーズがあるが意外にもおにぎりは出てこなくて、芋・うどん・すいとん・おはぎと言った食べ物が出てくる。山下清と言ったら日本のアウトサイダーアートの走りだが、絵画云々より反戦に焦点を当てた社会風刺の傑作に仕上がってる。また母親役の三益愛子との絡みはまさに人情喜劇のお手本といった内容。あと嬉しい脇役に、新聞記者の群れの中に映画デビューのクレイジーキャッツ。
実は、なかなかの反戦映画であるという驚き。
TVドラマの設定でも、戦時下の話なのだがその印象は薄かった。
放浪の山下清画伯が微笑ましいとか、人々とのふれあいが優しく美しいという安いヒューマンドラマではない。
食料が乏しく生きるのが厳しく、更に自由な発想や個人が抑圧される全体主義の世の中で、どこにも帰属せず自由に生き、強制からは徹底的に逃避しようとする反骨的なまでのアナーキストという感じだ。目から鱗の面白さ、イメージと違う。

しめつけの厳しい戦時下で、放浪する清は警官に咎められる。
食料事情の悪い都会を離れ田舎を歩き、「親は死んだ、16歳だ」と嘘で同情を買い、わずかな食料を恵んでもらう。決して正直者の純粋なだけの人ではない。
清は軽度の知的障害(サヴァン症候群の恐れもある)であるために、人々が誤魔化したり疑問にも思わない制度や常識の嘘を素朴な問いかけで暴いてしまう。
資本家・政治家・官僚など、人々を洗脳する支配者層にとっては非常に都合の悪い暴露者でもある。ことに軍国主義の非人間性に対する指摘が鋭い。

清は、相手の矛盾を相手の言葉を使って突いてくる。自分が放った言葉だけに言った本人もまいってしまう。合気道のように相手の力を利用してやり返すのだ。本当はおバカのフリした哲学者ではないかと思うくらいだ。
例えば仕事先の厳しい店主が清に「サボるな! 神様はお見通しだぞ」と言いながら、都合の悪いことは清のせいにする。清が反論すると「上の者に盾突くな」と抑えつける。しかし、
「神様がお見通しなら、ボ、ボ、ボクのせいにしても皆に解ってしまうんだな」とやり込められる。
その最たるものが自衛隊だ。
物語後半、戦後の社会で「じじじ自衛隊とはなにかな?」「せせせ戦争をしないなら何で鉄砲を持っているのかな?」と問いかける。この映画は1958年の作品だが、この単純な問いかけに明確に答えられる人は2019年の今もって居ない。自衛隊は軍隊ではない。では何故武装しているのか。それに関するもっともらしい答えは、所詮は支配者層の誤魔化し、都合の良い解釈、言い逃れであって、前述したように清の問いかけは、その誤魔化しを許さない。
「あああ安倍さんに、ききき聞いてみたいんだな、しゅしゅしゅ集団的自衛権ってなにかな?」

清が風呂上りに乞食仲間につられて人前で踊り、ふんどしがはだけてしまう。わいせつ罪で手錠を掛けられる
警官に「男の大事なモノを、人前で見せる奴があるか!」と咎められ。
「おおお女の大事なモノはお金だして見に行くのに、おおお男の大事なモノは出すと手錠をかかか掛けられるんだな」
この調子で世の中の全ての虚栄を引っぺがす。
ヒューマンドラマではない、反骨的な社会批判映画だ。

戦後風景もすさまじく、貧しい清の一家は公衆便所の焼け跡に住む!!
「全部一遍焼けちまってんだから、ちゃんと消毒できてんだよ」という母親も逞しい。決して慈愛に満ちた母ではない。清が戦後放浪画家として有名になっても、却って便所に住んでいる家族はみっともなくて迷惑を感じている。
「いい色気ってなにかな? 大人になってカッコつけてるのがそうかな?」
と、清は便所住まいを恥じる家族の虚栄心に対しても手厳しい。
いや流石に便所に住んでますとは言えないよ、それくらい勘弁してよ清さん!

アニメ『サザエさん』が最初はスラップスティックやヤバ系だったり、映画の『水戸黄門』では、ご隠居が爺の割に激しく立ち回りする(バク転まではしません)アクション活劇だったり。
後々のぬるい作品しか知らないから甘く見てるが、実はいつでもオリジナルは刺激的で新鮮だ。
Lalka

Lalkaの感想・評価

3.4
きっ基本的には、けっ桂樹の独擅場なんだなあ、ああう。

戦中・戦後の雰囲気は出ているが画的には病院から花火辺りが印象に残る。
間近に迫った徴兵検査を避けるため施設を脱走した山下清がいくつかの食べ物屋を転々としながら暮らしていく、戦中から終戦までの時期を描く物語

有名な山下清の放浪物語を東宝が小林桂樹主演で映画化したもの
意外にもこの時期でカラー作品です、そして何気に出演者が凄い、それもさりげなくちょっとのシーンにも登場して来るので何人かはどこに出ていたのか気づかなかった

テレビドラマ版は1980年からスタートしていたらしく、当時既に山下清は亡くなっているんですよね
その点この映画の時点で山下清は36歳で存命、小林桂樹は直接本人に取材した上で主演を演じていたらしい

この作品の山下清はあまり有名な画家って感じじゃなく、ただただ放浪してる、頭が弱いことから来るしつこい問答とか、抜けた行動が面白くコメディ色が強い作品、その中でも反戦、自衛隊批判なども含まれている内容です

テレビドラマ版も見たことがなく、山下清の映像作品見るの初めてだったんですが、なかなか良かったです、小林桂樹の演技が良い、ちょっとイラっとするような飄々さ、食い意地のはったキャラ、いろんな表情も含め楽しく見れました

あとは、当時でもこの映画に対して
知恵遅れをバカにした映画だと一部で非難されたらしいですね
劇中見る限り個人的にはあまり気にならなかったんですが、むしろそれが個性となっていい味出してるなくらいで
まだいろいろなものが寛容であったと思われる当時でもこんな意見はやっぱりあったんですね、それを考えると比較的近年まで裸の大将ものが続いてたのって凄いですね
青二歳

青二歳の感想・評価

4.7
小林桂樹の山下清"裸の大将"。クレジットがすごい。主演助演級が端役の文字サイズでズラズラっと。この豪華さは成瀬巳喜男の予定だったから?いやー小林桂樹ほんとう芸達者な方です。楽しいかわいい。飯が美味そう!名演ですヽ(´∀`)ノ

なおこの公開年は柳家金語楼芸能生活50周年らしく、今作はチラッとセクシーな入浴シーンをご披露。丸っとツヤっとしてるからお年を感じさせませんねぇ…ご健勝なによりです。他にも東野英治郎がこれまた最高に可愛い。闇市で再会する落ちぶれた老陸軍将校のお調子者っぷりが愛嬌あってたまりません。
さらに三益愛子の突き放した母親ぶりがツボです。なんとも味わいがあります。

60年代邦画を愛してやまない自分ですが、なにが困るって政治主張がいい加減鬱陶しい。時代もあるし監督が堀川弘通だから仕方ないとはいえ。直球で政治がテーマならいいんだけど、何でもかんでも挿入しないでおくれ…その辺りの主張が邪魔で仕方ないんですが、それでも小林桂樹の喋り方で理屈こねられると可笑しくて素直に笑います。脚本水木洋子さん巧い方ですし。この人も左派ですけど楽しい。とにかく左右どっちでもいいから程度があるだろと度々思う…

八幡学園は救護法ですかね。いわゆる養護学校設立は戦後を待たねばなりませんが(知的障害等は学校がなかった)、私塾がいくつかあり。ちなみに「山下清展」ってあったけど「特異児童〜展」のはず。まだ知的障害は特異児童と言われていた頃。
いやこれマジ面白いっすよ。
ちょっとした反戦映画感もある。監修式場隆三郎。