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ナイルの宝石のRenのレビュー・感想・評価

ナイルの宝石(1985年製作の映画)
2.0
『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』の正式な続編!面白くはない!監督も脚本家もガラッと一新しているのだけど、なんとなく前作が上手くいったっぽいからキャラクターだけ拝借して惰性でテキトーに作った凡百の「話題になれなかった続編」そのものだった....。

ジャック(マイケル・ダグラス)とジョーン(キャスリーン・ターナー)がヤバめな独裁者から逃げる話。あらすじだけ見たらとんでもなくシンプルなのは前作と同じ。
ただ一本の映画としてはかなりチグハグで、今この人達何やってるの?と悪い意味で冷静になってしまう時間が多く、なかなかグルーヴしていかないなと感じた。

顕著なのは、ジャックとジョーンの痴話喧嘩のシーン全部と、民族と出会う一連のシーン(10分くらいあった)。完全に話が止まってる。元々前作が中身があって無いようなところが良さでもあったのだから、ブレーキがかかったことを感じさせずに勢いでラストまで行ってほしかった。

中盤の戦闘機の一連のアクションは、チープではなく欲しかった派手さがあったので満足。予算もしっかりありそうで爆破などの特殊効果は頑張っておりその点は良かった。レイダースすぎるだろとは思ったけども。

そ二人の倦怠期故のすれ違いをかなり引っ張ったわりには解決が安易で何のカタルシスも無かったのは物足りない。
劇中、お互いがお互いをどう思っているのかがあやふやで人物の魅力もイマイチ。人間の不確かな魅力という意味でのあやふやさではなく、単純に観ていて煮え切らないあやふやさ。

前作のほうが面白かった気はしたが、「傑作だった前作に対してこれは駄作!」との意見には、本当に?と待ったをかけたい。前作も十分ヘンな映画でしたよ。今作も前述の戦闘機アクションとか、岩壁アクションみたいなシーンをあと3倍くらい入れていたらパッションで押し切った体育会系おバカ映画として楽しめていた気がした。無念!
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