ぶちょおファンク

レオン 完全版のぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

レオン 完全版(1994年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★4.5 中盤★4.5 終盤★5

L.ベッソンの映画愛が詰まった傑作!
『俺たちに明日はない』『羊たちの沈黙』『ディア・ハンター』、
他にも引用しているであろうと思える作品があると勝手に推測しますが、
基本はジョン・カサヴェテス監督『グロリア』のオマージュ。

出てくる大人は全員悪い奴なので同情の余地はこれっぽっちもなく、
主人公のレオンですら殺し屋なので真っ当なニンゲンではない。
でもレオンはいい奴だ。憎めない、愛らしい、哀しいオトナだ。

そんな彼に恋に落ちたのはまだ幼さの残る、背伸びして大人ぶる少女マチルダ。
彼女は本作において唯一悪い奴ではない。
確かにウソをついたり未成年でありながらタバコを吸ったり酒を飲んだりもするけれど、
テレビの子供向けアニメを観たがるまだまだ少女の面影を残している。

ふたりは親子みたいだったり、友達みたいだったり、兄妹みたいだったり、恋人みたいだったり、色んな関係性に見えてくる。
それが多くのヒトがふたりに共感しやすいんだと思う。

気になる脚本のアラは抜きにして、単純に物語として巧くまとまっていて、
切なくもスッキリと物語は幕を閉じる。

エンディングにはスティング「Shape of My Heart」が流れ、
このココロに沁みる名曲がより一層いい余韻を残してくれる。。。

2017年240本目(再見)