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第九軍団のワシのバナバナのレビュー・感想・評価

第九軍団のワシ(2010年製作の映画)
3.3
イギリスの女性作家による児童文学が原作だそうです。

カエサル・シーザーがブリタニアにローマ第九軍団を一番最初に遣わしたのが紀元前43年の事だったそうだが、
本作の主人公・百人隊長マーカスは、第九軍団長だった父が軍団と共にブリタニアの北部で原住民との闘いに敗れ、第九軍団の鷲の旗章も蛮族に奪われ、行方不明になっている。

父の消息と鷲の旗章を取り返したいと軍に入ったマーカスだったが、脚を負傷をしてしまい、名誉除隊させられてしまう。
叔父の下に身を寄せたマーカスだったが、そこでブリトン人のエスカを助け、彼を奴隷にする。
父の汚名を晴らすことと、鷲の旗章を取り返したい事を諦めきれないマーカスは、エスカの助けを借りて、二人だけで父が消えた北部地域に潜入すると決める。
叔父はエスカがローマ軍に家族を殺されたブリトン人だから寝首を掻かれると止めたのだが、マーカスはエスカと出発するのだった…、という児童文学とは思えぬ位、かなり重厚な話でした。

冒頭の部分ではマーカスが清廉な心の持ち主で、優秀な軍人である事をしっかりと見せ、
後半からは、ローマ人であるマーカスとブリテン人であるエスカの友情は成立するのかというテーマを、緊張感を持たせて描いているので、なかなかの秀作でした。
ただ、冒険譚にしてはエピソードが少なく感じたのが、ちょっと残念なところでした。
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