Cisaraghi

インドシナのCisaraghiのレビュー・感想・評価

インドシナ(1992年製作の映画)
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インドシナの歴史の勉強のために、いつかは観なければと思っていたが、159分という長さに怯んでなかなか観られなかった映画。『ロバと王女』からのドヌーヴ様繋がりでやっと思い立った。

歴史的大作映画の雰囲気はありつつも、物量も情報量もそんなに多くなく、意外に長さを苦にせず観られた。画面がスッキリ整理されていて余計なものがあまり映り込んでいないので、負荷が軽いのかも。その分少し物足りなさもあるが。

最初は胡散臭く感じたジャン·バチスタが、途中から俄然魅力的に見えてきたのは、こちらがカミーユ目線になるからだろうか。赤ちゃんを抱いている時のとろける笑顔なんて、ギャップ萌えするしかない。この時御年28歳のヴァンサン·ペレーズ様、今年で60歳。ナレーター的な役割になるドヌーヴ様に代わり、途中から話を引っ張る可憐で一途なカミーユを演じるリン·ダン·ファンも、今やこの時のドヌーヴ様くらいの年齢に達している。この話、最初からカミーユを伝説的救国のヒロインに据えて、もうひとつ別のドラマチックな純愛ストーリーが作れそう。

歴史物としては、基本知識が足りず、そーだったのか…と受け取るしかないので、重ね塗りするベースになれば。ゴム園のプランテーション、安南の貧富の差、闇の奴隷売買(事実?)、共産主義の台頭。映画はエピソード記憶に残りやすそうで役に立つ。仏語はどこまで普及していたのだろう?「1954年7月21日、ジュネーブ会議が終わって15年の動乱が終結、南北2つのベトナムが承認された」。1887年から1954年まで、現在のベトナム、カンボジア、ラオス、広東省の一部を含むこの辺りは、フランス領インドシナという植民地だった(メモ)。

世界遺産に登録されている、カルスト地形からなるハロン湾の絶景は随一の見処。
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