橘

花とアリスの橘のレビュー・感想・評価

花とアリス(2004年製作の映画)
3.9
箸が転がっても可笑しい年頃の女の子の煌めきと、色々ありましたね…な痛みと。眩しい……。。
花もアリスも可愛くて尊い。てっきり下の名前がアリスだと思ってたら、“有栖川徹子”でアリス。言われてみれば、とても「テツコ」という感じがする。

花は結構説明調な長台詞あるし落研だし、アリスもそんな感じの台詞あったりするけど、鈴木杏さんも蒼井優さんも不自然でないのがすごいなと思いました。
特に花、相手が途中で我に返ったり、深く考える前に全て喋り切るの匠の技でした。落語の練習もあの早口でちゃんと聞き取れる。

アリスの天真爛漫さは誰でも好きになってしまう…プラス、当時の蒼井優さんの透明感で無敵だ。
よく考えなくてもヤバいこと言ってる花に「すげぇね花ちゃん、何でもアリだ」って言えるの良いなぁ。「そこは黙秘します」(←えらい)、「大丈夫です、減るもんじゃないんで」(←プロね…)

アリスと付き合ってた記憶も、花と付き合ってた記憶も、そんな記憶は無いので宮本先輩が取り戻すことはない。でも、3人で海に行ったのは大事な思い出だきっと。あのハートのエースのトランプ見る度、思い出すんだろう。。
宮本先輩の俳優さん、撮影シーンじゃないとこでもふたりからイジられてたらしいけどそれも分かる気がする。

こんな人が!という脇役の方々も良かった。
平泉成さん父とのシーンはもちろん、木村多江さんのサバサババレエ教師も、びっくりしちゃうふせえりさんも、動じないキムラ緑子さん母も良い。小麦色の伊藤歩さんも可愛い。相田翔子さんの母もだし、親役の役者さんたち皆さん良かった。
吉岡秀隆さんって声だけでもわかる……ルー語を喋らないルー大柴さん。
ルーさんの演技拝見するの初めてじゃないのに、毎回、ルー語じゃない…!って思ってしまいます。

落研の部長さんの、高校生活でさぞ浮いてるんだろうな…ってとこも好きです。普段からこの喋り方なら、彼には噺家になる将来しかない。



この作品も篠田マジックなのか。煌めく。
橘