ひでやん

オズの魔法使のひでやんのレビュー・感想・評価

オズの魔法使(1939年製作の映画)
4.5
夢は遥か遠くに、大切なものはすぐそばに。

久しぶりに観たけど、やっぱり楽しかったな。童心に帰ったのもひとときで、明日になると忘れちゃうんだろうな。セピア調で始まる序盤、見上げた空に想いを馳せて歌う「Over The Rainbow」は名曲ですね🌈美しい歌声がすうっと心に沁みて心地良い。ジュディ・ガーランドの瞳がずっとキラキラしてんのよね、もうキラッキラ。

家が舞い上がる竜巻シーンの後、扉を開けると色彩豊かなカラーの世界へ。小人たちが歌って踊るおとぎの国は、堰を切ったようにカラーが溢れ出す。そして、水を得た魚のように色を得たオレの心はピチピチと跳ねた。悪い魔女をやっつけた(事故)ドロシーは歓迎され、エメラルドシティへと旅立つ。

希望を胸に歩くドロシーと愉快な仲間たち。友情、歌、魔法、夢など、ワクワクが掛け算される大冒険に胸が躍る。衣装で豊かな個性を表し、背景画や巨大セットによって奥行きを感じさせるオズの世界。VFXなどで目が肥えた現代ではその世界はチープに見えるが、なんせ80年以上前の視覚効果だ。とにかく、手作り感がたまんない。高級料理ばかり食べ続けた後、実家のカレーでホッコリする感じ。

魔女の出現や消滅、しゃべる木や空飛ぶ猿など、不可能を可能にした特殊効果は素晴らしい。その独創的なアイデアは観るものに魔法をかけ、今もなお解けぬ不朽の名作となっている。今作を観た尾田栄一郎は、ひとつなぎの大秘宝は「勇気」とか「心」というフワッとしたものじゃなくて、形あるお宝にしたいと言っていた。大判小判がザックザクのゴールを求めてしまう自分だが、すでに持っていたり、自分の家が結局一番というのも良い。

ドロシーの愛犬が賢すぎる。余談だが、愛犬トトのギャラはマンチキンよりも高かったらしい。
ひでやん

ひでやん