第一次大戦中、ロンドンのウォータルー橋で偶然出会った若い将校とバレリーナはそのまま恋に落ちる。結婚まで誓ったその矢先、将校に戦地への異動命令が下る…。
あまりにもヴィヴィアン・リー扮するヒロインが生き方に不器用すぎて苛立ちも感じるが、これも計算のうちなのだろう。
メロドラマと言えば「哀愁」、「哀愁」と言えばメロドラマと言っても過言ではないぐらい嘗ては抜群の知名度を誇る作品。
ただアメリカ本国ではどうも日本ほど注目を浴びなかった作品のようである。AFIのベスト100にも選ばれておらず、imdbの得票数もそれほど高くない。
日本でこれだけ当たったのは、「哀愁」という邦題と「別れのワルツ(蛍の光)」が流れるキャンドルシーンの功績によるものだろう。
いまだに閉店時間になると「別れのワルツ」が流れるのは、この映画のおかげである。公開されて七十年近く、我々の生活にこうも深く関わっている作品も珍しい。