こたつむり

バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲のこたつむりのレビュー・感想・評価

2.2
《闇の騎士》という称号に相応しいほどの黒歴史。

ユマ・サーマンの存在感は唯一無二ですね。
『キル・ビル』や『ガタカ』など、他の作品でも見事な存在感で、立っているだけでも画になっていましたが、本作ではそれに加えて“フェロモン”を撒き散らしていますからね。ある意味、無敵ですよ。ジャック・ニコルソンの《ジョーカー》、ジム・キャリーの《リドラー》に続く最高の悪役だったと思います。

おわり。

…でも良いのですけども。
やはり、思ったことは書いておきたいので。以下、簡潔に。

ジョージ・クルーニーを主人公に起用するならば。思い切って“ラテン系バットマン”くらいにアレンジすべきだったと思いました(コスチュームは黒じゃなくて花柄)。やはり《バットマン》は“孤独”が似合うことが重要。しかも、素顔のときは育ちの良さと傲慢さと心強さが必須。申し訳ありませんが、配役時点で問題ありだと思いました。

また、ヒーロー映画に野暮なツッコミは厳禁。
とは言いましても、やはり限度はあるわけで。
高度ン千メートルの上空から落下してくるのに「サーフィンだ!」と言いながら無傷で着地するのは…えーと。うーんと。あ。そうか。この映画は“ギャグ”だと頭を切り替えるべきなのですね。なるほど。

だから、眠くなるようなアクション場面も。
氷点下で容易に火花が散るのも。氷が溶けるときにムラが出るのも。やたらと登場人物たちの台詞が説明調なのも。日本語の字幕まで片言になっているのも。『時計仕掛けのオレンジ』のコスプレが登場するのも。《ロビン》の存在理由が判らないのも。クレジットカードで決済しようとするのも。

全部、全部、全部。
笑いを取るために必要なのですね。いやぁ。奥が深いなぁ。

まあ、そんなわけで。
「これはギャグを愉しむ作品だ」と割り切ったおかげで、眠くならずに最後まで鑑賞できました。また、考えようによっては、本作があったからこそ、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』三部作にも繋がったわけで。

やはり、世の中に無駄なことなんて何もないのです。いやぁ。奥が深いなあ。
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