イチロヲ

ダンボのイチロヲのレビュー・感想・評価

ダンボ(1941年製作の映画)
4.0
サーカス一座で産み落とされた子象が、「耳が大きい」という理由で周囲から虐げられてしまう。大きな耳をもつ子象のキャラクター「ダンボ」を創造している、アニメーション作品。

ディズニー謹製だが、フライシャー製作の「べティ・ブープ」を彷彿とさせる、カオスな演出がてんこ盛りになっている。「アニメならではの映像表現」をとことんまで追及しており、面妖な異化作用を享受することができる。

アルコールでトリップすることにより未知の能力に気づかされる展開は、大人になってから観ると感慨深いものがある。ダリの影響下とも言われている、サイケデリック・トリップ映像「ピンクの象」は、まさにレジェンド級の名シーン。

「短所を長所にせよ!」(by ジョン・ウォーターズ)の精神を呼び起こした日陰者が、蔑視を向けてくる者たちをビックリさせていく。ころっと手のひら返しする大衆心理の描写が、サイコーに気持ち悪くて、サイコーに気持ち良い。
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