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ゼア・ウィル・ビー・ブラッドの10000lyfhのレビュー・感想・評価

4.0
20世紀初頭のカリフォルニアを舞台に、成り上がりの粗野な石油採掘事業者ダニエルと、その息子 HW、元土地所有者の若き宣教師イーライらが繰り広げる愛憎ドラマ。ダニエルとイーライの、長年にわたるマインドゲームと暴力の応酬合戦が、話の主要軸。ダニエルは現代のアグレッシヴな野心的起業家に、イーライはカルト教祖に、それぞれ通じるものがあり、1世紀前の世界を舞台にしながら現代性を強く感じさせる。魅力あるとは言い難く感情移入もできない人物たちの壮絶なドラマを客観的に見入る感じはゴッドファーザーに似る。石油採掘技術から鉄道まで、20世紀初頭を完璧に再現した美術も見どころ。劇伴は PTA 作品初のグリーンウッド。ストリングスとピアノ中心で、ヴィヴァルディ風から特殊奏法まで駆使、不安感を醸成。採掘場が燃えるシーンのトライバル/パーカッシヴな曲もいい。アルヴォペルトやエンドクレディットのブラームスら、既存曲と自曲との併用のバランスも絶妙で、トータルな映画音楽のセンスめっちゃいい
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