エイデン

ノロイのエイデンのレビュー・感想・評価

ノロイ(2005年製作の映画)
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怪奇実話作家として人気を集め、実録ビデオ作品も多く残す小林は、2004年4月新たなビデオ作品『ノロイ』を完成させた
しかしその直後 小林の自宅が全焼し、妻 景子の死体が焼け跡から発見されたものの、小林は消息を絶ってしまう
残された『ノロイ』には、衝撃的な内容が記録されており、そのままお蔵入りとなってしまった
だがプロデューサーの一瀬隆重は監督に白石晃士を抜擢し追加取材を敢行、新たに撮影した映像を含めて編集し、『ノロイ』は日の目を浴びることとなる
2002年東京、小金井
小林は隣家からいるはずの無い赤ちゃんの泣き声がすると語る主婦 奥井に取材を行っていた
隣家は半年くらい前に引っ越して来た母と小学生くらいの息子の2人暮らしで、愛想も無く何をしているかもわからないと言う
小林は早速カメラマンの宮島を伴って隣家の石井に取材を敢行するも、やつれた様子の石井はヒステリックに怒鳴り散らすばかりで話にもならなかった
仕方なく家を後にすると、カメラは石井家の窓から、息子と思しき少年がこちらを見ている姿を捉える
その際カメラは、不可解な音声も捉えていた
それを専門家に分析してもらうと、少なくとも5人以上の赤ちゃんの泣き声が重なって聞こえていると判明し、小林は更なる取材を決める
後日 再び石井家へとやって来た小林だったが、奥井から一家は引っ越してしまったと聞く
念のため石井家を調べてみると、裏庭には複数のハトの死骸が転がっているのを発見
更にその5日後、奥井は娘と共にトラックにはねられて死亡してしまうのだった
数ヶ月後、小林は超能力の公開実験番組で、驚くべき超能力を発揮して見せた小学生 加奈、霊感を持つ女優の松本まりかと、その番組で共演した霊能力者 堀と出会う
更なる取材を進める小林は、様々な事件に共通点があることに気が付くが・・・



白石晃士監督のホラー映画

『ほんとにあった! 呪いのビデオ』シリーズを継承したようなモキュメンタリー作品
モキュメンタリー自体は数多くあるけど、日本の作品だけあって、撮り方とか取材の様子とかがあるあるで、とても身近にも感じてしまう
実際の芸能人が本人役で出ていたりもするため、全体的に現実と地続きであると錯覚するようなクオリティになっている

様々な人物が交錯しつつ、不可思議な事件に翻弄されていく劇中劇の小林
漠然としながらも、確かにその存在を匂わせるおぞましい呪い
小林を通して徐々に深みにハマっていってしまう感覚が病みつきになるし、じわりと這い寄ってくるような恐怖が面白い
段々と観てはいけないものを観ているような感覚にさえ陥るような、思わず背筋が寒くなる展開も最高

白石晃士作品としては、『オカルト』、『カルト』、『ある優しき殺人鬼の記録』、『コワすぎ!』シリーズなどとも関連性のある小ネタもあったりもして、そうした作品群の原点の1つとしても捉えても面白い
独特の恐怖とパワフルさを感じられる作品なのでオススメ
モキュメンタリーと知らない友達がいたら教えずに観よう
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