国家最高機密に属する研究プロジェクトを率いる天才科学者のセバスチャン・ケイン。
人間を透明にするというプロジェクトを進めていた彼は、ついに自ら実験台となる。
しかし、自分で人体実験を試みた結果、透明になったまま元に戻れず、狂気に落ちていく…。
「俺、女の裸大好きなんだよ」とは決して口に出せない高IQ学者の破廉恥ムービー。
…ではありません。
誰もが一回は考える「透明人間」をテーマにした映画。
透明人間になったら何をする?
人は犯罪を犯す。
そんな映画です。
プレデター系といったところでしょうか。
おそらく多くの人が思う、「もし自分が透明人間になれたらしてみたいこと」を主人公がやってくれるので、中盤までは楽しく見れる。
しかし、殺人までいくと話は別。
これまでファンタジーのように描かれていたテーマだが、ポール・バーホーベン監督は、男の野望と欲望をむき出しにした、えげつない透明人間を作りあげた。
幼稚なストーリーだと思ってナメて観てたら、想像以上にスリラーに徹しててけっこー怖かったです。
そしてなかなかCG技術がすごい…と思う。
てかジャケット無駄に怖っ…。
ストーリーはというと、いやいや急展開だなって感じですけど、まあベタといえばベタ。
ある実験を行っていた研究所の博士が自ら実験台になり、最後には次々と殺人をおかして行くという感じ。
主人公は頭は良いんだけど、人間的にはどんどん崩壊していきます。
新しいパワーに酔い、秘密を握る研究所の人間を皆殺しにしようとする主人公は残酷で愚かな男だが、狂気に落ちた人間の歯止めのきかない行動力とバカ力には圧倒される。
透明人間になると、やっぱり悪事に走るのが人間の性なんですかね…。
セクハラ、強姦、殺人と次第にエスカレートしていきます。
あと、透明人間になったら耐久力とか上がるの?ってくらいしぶとくなります。
ただ、主人公をみててイライラするし、テンポもやや遅い。
ずっと内輪もめの120分という。
若干くどい、と思っちゃう程ラストは引っ張る。
とはいえ、サスペンス&ホラー&SFって感じで、緊迫したシーンが続くので、 緊迫感を楽しみたいなら有りな一品。
透明人間には憧れるけど、何も見えないから何でも出来るってのを考えるとちょっと怖いかもね。