てる

ドニー・ダーコのてるのネタバレレビュー・内容・結末

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

よくわからなかったので、解説を読んでみると、思いの外、複雑な設定だった。なんか未来人とか出てくるっぽい。まぁ、それは置いておこう。
多重人格と幻覚に悩んだ少年が事件を起こしたかと思いきや、タイムトラベルし、全てがなかったことにするというとんでもストーリーだった。『スーパーマン』かと思ったけど、実際はどうもそういうことではないらしい。恋人が死ぬくらいならば、自分が死んだ方がいいという高尚な思いがそこにはあった。さらにいえば、母と妹の死も防いだということらしい。
でも、この作品の評価するところはそんなSFの部分ではない。作品全体に流れる鬱々とした雰囲気とジェイク・ジレンホールの演技力だ。
ドニー・ダーコが何をやらかすかわからないという危うい均衡に揺れているのが面白い。思春期の少年ってこういう危うさあるよなぁって思う。ドニー・ダーコは行きすぎているけども、普通の少年が一歩違えたらこういう、所謂ヤバいヤツになり得そう。それを見事に演じているジェイク・ジレンホールとそれを演出している監督の技量が素晴らしい。
難しいことは置いておいても、ドニー・ダーコの最後の選択もわかる。結局のところ、彼は善良であったのだ。大人であれば、さらに様々な選択肢もあったことだろうが、その選択肢の少なさや潔さも不安定な少年ならではだと感じる。
青春カルト映画と謂えばいいのだろうか。斬新な作品だった。
あと、銀色のウサギ。毛むくじゃらの着ぐるみ。この姿に強烈なインパクトがある。ストーリーも役者もさることながら、こういうビジュアルでも印象に残るからこそ語り継ぐ作品になっているのだろう。
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