柴田恭兵が脈略もなく突然舞台で踊りだすくだりがあるが、俺はこの「ノリ」が大嫌いなんだと改めて思った。テレビドラマの二時間スペシャルが「映画」として偽られ、そこにあるのはキャラクターを熱心に愛するファン向けのプロモーションビデオ程度。日本映画がますますゴミ化していった一つの歴史。
80年代特有の無駄なエロス(女性の裸)はもちろんある。監督は長谷部安春、撮影は姫田真佐久、鶴岡修もちょろっと出ているロマンポルノ人脈。お茶くみの女性警官が長谷部安春の娘だったの今さら知ったよ。
都心から離れて悪玉の別荘で決着をつけるクライマックスはVシネでも定番。そのラスボスを室田日出男が演じているのは嬉しかったが。やけにはしゃいでいる浅野温子が受け入れられたのは、夏が今みたいに暑くなかったからだと思う。