ノッチ

シンデレラのノッチのレビュー・感想・評価

シンデレラ(1950年製作の映画)
3.0
本当の母親と死に別れ、迎えられた意地悪な継母と2人の姉。 

父親の死により、シンデレラは家事など全てを押し付けられる。

しかし、シンデレラはいつも夢を忘れず明るい心を持っていた。

義母に召使いとしてヒドイ扱いを受けているシンデレラが、魔法使いの魔法で一晩だけキレイなドレスに身を包み、王子様と恋に落ちる物語。 

ディズニー長編アニメーション第12作。

ディズニーの王道。

ビビデバビデブーって『シンデレラ』で出てきた歌だったんだね。

『メリー・ポピンズ』だと勘違いしてました。 

シンデレラがいじめられながらも何とか自分に誇りと、自分を虐げる人間にすら優しく接しようとする姿は決して愚かに映らず、毅然とした姿は優雅にすら思えます。

本の中のシンデレラは苛められても健気に謙虚に暮らしてるってイメージだったけど、ディズニーのシンデレラはポジティブでたくましかった。

でもそうじゃなきゃあの執拗な苛めには耐えられないよね…と思ったり。

動物に優しく、歌がうまく、嫌事を一つ返事でこなし、意地悪でブスではげな継母と、その娘達の雑務を行い。 

いつか叶うと夢を信じる気持ち。

いくつになっても、心がうっとりする作品だと思う。 

また、大人になるとき人が誰でも通る現実の理不尽さ、悲しさが描かれています。

シンデレラのためにネズミ達が作ってくれたドレスを、ドリゼラやアナスタシアがボロボロにしてしまうシーンは、アニメと言うことを忘れてしまうほどのワンシーンだった。

昔の作品とは思えないほどキャラクターたちの表情が豊かで、1つ1つのシーンが臨場感溢れています。

現実にはこんな都合のいい話なんてない、誰も助けてくれないと思いながら、だけど現実には絶望に打ちひしがれたときこそ、誰かが魔法のように力になってくれる時がある。

しかしながら、王様の息子という立場以外は一切描かれていない一瞬だけ登場する陰の薄い王子様は、シンデレラを秒速で見初めて、結婚を決意する過程の中で、ダンスを踊っただけで、ついに彼女の優しい人柄や家事処理能力が言及されることがありません。

着飾った美しいシンデレラの外見に惚れただけ、と彼の女性の内面に対する無頓着ぶりと、彼女の選ばれた理由(見た目)をご親切にも明確に示唆してくれています。  

顔だけでいきなり嫁さんを決めた王子と、孫と遊びたいから健康な女性を息子にめとらせるようにと部下に命令する王様。

まさに男の本音炸裂です。

一晩踊っただけの王子と結婚するとなると、結婚生活が大変なんじゃないかと思わずにはいられない。

そして驚くべきはラスト。

ガラスの靴を砕かれて、まさかそんな返し技があったとは。

ちゃっかりしてるのか、じつは策士だったのか。

白雪姫は天然だが、シンデレラには賢さを感じる。 

しかしはっきり言ってアニメより、2015年の実写版『シンデレラ』の方が数倍面白かった。

前述のようにアニメでは王子様は顔でシンデレラを嫁に選びましたが、実写版では王子様とシンデレラの「ちゃんとした」出会いも描かれていて、よりロマンチックに感情移入出来るようになっている。

他にもアニメ版はなんかいろいろストーリーが雑なんだよな~…。

それにしても、シンデレラが苦労する羽目になったのは、父親がいかにも性格悪そうな女性と再婚するからですよね~。

趣味が悪い。
ノッチ

ノッチ