イタリア映画『ヒッチハイク』(1976)と、
スピルバーグの『激突』(1971)を組み合わせたような作品だなと思いながら観ていくと、中盤から思いのほか派手な展開になります。
わざとらしいくらい激しい砂嵐から始まり、そこから神出鬼没で登場するルドガー・ハウワーの登場のさせ方など、なかなかいい感じで進んでいきます。
あれ?と思うシーンも多いのですが、豪快なカーチェイス場面などを挟みながら力業で展開していき、その無理やりなストーリーも気にならなくなっていく。
そのカーチェイスシーンはCGでは出せない迫力。
指ポテトなどショックシーンがあったり、ヒロインとの添い寝のシーンに思わぬサスペンスを醸し出したり、恐怖の見せ方が多様なのが楽しいですね。
このサイコ野郎ジョン・ライダーとは何者なのか?
『ターミネーター』(1984)のシュワルツェネッガーか『ノーカントリー』(2007)のアントン・シガーか!
恐怖の追跡魔のこの二人のアンチヒーローに比肩するほどの存在感がある。
終盤はその存在に関してミステリー的要素を匂わすのもGood!
ラストで、美しい夕陽をバックに無情に立ちすくむトーマス・ハウエル。
ジョン・ライダーとの関係は何だったのか?
ここにも主人公が崖から石を投げ続けて終わる『激突』のラストシーンに似た印象を得ました。
あと、この作品に登場する保安官や警察はめちゃくちゃ無能ですが、
そこには目を瞑って鑑賞することをおススメします。
ヒロインの拷問シーンは、日本のコミック『ワイルド7』のコンクリートゲリラ編で、世界隊員がやられたのと同じ方法だったなあ。
残酷です。
一気に観れてしまうのではないでしょうか。
なかなか面白いですよ。
モヤっとした終わり方ですけどね。