FutosiSaito

ルート・アイリッシュのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

ルート・アイリッシュ(2010年製作の映画)
4.1
 民間警備会社でイランに派遣されていた友人の不可解な死を、親友で同僚でもあった主人公が追求する。軍の兵士なら国が葬儀をして恩給もあるが、それもない。
 ブッシュ大統領のときにコストダウンのために「戦争の民営化」が始まった。その問題を問う。
 また、主人公は会社の不正を追ううちに、あの戦場での拷問をもしてしまい、暴力性を露わにしていく。観客は次第に感情移入できなくなっていくが、これも監督の狙いなのだろう。
 復讐に出口はない。暴力に抗する暴力や、心的外傷の問題をケン・ローチは描いた。かなりの帰還者に直接取材したことをもとに作られた傑作だった。
 
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