だいすけ

ジャックのだいすけのレビュー・感想・評価

ジャック(1996年製作の映画)
3.5
小学生の頃、近所の塾のチラシに「見た目は大人、頭脳は子ども」というキャッチコピーが書かれていて「本当にアホだ…」と唖然としたことを思い出した。これではオウン・ネガティブキャンペーンそのものなのだが、言いたいことは理解したつもりだ。要するに、大人ではあるけど童心を忘れない(それゆえ生徒に対して親身になれる)、ということだろう。本作の主人公ジャックも同様だ。彼は一般人の4倍もの速度で成長する早老病であるので、10歳にして中年男性のみてくれをしている。そのため、始めこそクラスメイトに「怪物」と呼ばれ避けられていたが、次第にジャックの魅力に引き寄せられていく。その魅力こそ、童心だ。彼は外見こそ大人だが、他の子ども以上に純真な心を持っている。

そんな普通の子と変わらないジャックを、ロビン・ウィリアムズが器用に演じている。「ビッグ」のトム・ハンクス然り、名優が演じるとまるで本物の子どもがはしゃいでいるように見える。もっとも、ロビン・ウィリアムズには元来子どものような茶目っ気が備わっている。

自然の移ろいが早送りで映されることによって、ジャックが体感する時間感覚を表現している。同時に、人間が無常な世界に生きていることが強調され、命のはかなさを暗示している。
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