だいすけ

ジョン・ウィック:コンセクエンスのだいすけのレビュー・感想・評価

4.0
これはもう「The アクション映画」といった趣きで、筋書きは相当シンプルで、アクションを楽しむための作品。とはいえ、シリーズで数えて4作目ともなると、ジョン・ウィックのキャラクターや生きざまはご存じのとおりといった感じで、すんなりと荒唐無稽な行動や戦いぶりを受け入れられる。

とはいえ、あいかわらず四面楚歌な状況に置かれ苦悶の表情を滲ませるジョンのアクションもさることながら、本作では旧友との関わり合いに目が行く。やはりアクションに時間を割くため、彼らの過去は隠れた前提となっており描かれないのだが、彼らはみな殺し屋の業を抱え、数々の修羅場を潜り抜けてきた者にしか出せない凄みがある。

ノンストップ・アクションには飽きさせないための様々な仕掛けが施されている。特に後半においては、凱旋門周辺の旋回シーン、俯瞰によるゲームのような戦闘シーン、高さ方向に展開していく階段における戦闘シーンと盛りだくさん。ことアクションについてはどのキャストも手練れに違いないが、なかでもドニー・イェンの身のこなしには目を見張る。盲人とは思えないほど迷いのないストレートな刀裁きは見ていて気持ちがいい。

最も印象に残ったのはやはり階段のシーンで、なにもそこまで転がり落ちることあるか?と思わないでもないものの、これまでのジョン・ウィック・シリーズを象徴するようで、最上段がなす地平線から柔らかく差し込む朝日に希望を見出したくなる。ジョンの人生にやっと夜明けが訪れると思うと、無性に感慨深い思いに駆られる。
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