グラビティボルト

レインメーカーのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

レインメーカー(1997年製作の映画)
3.8
理想と現実の狭間で揺れたり段々適応して狡くなったりするマット・デイモンが素敵だし、動きの少ない法廷空間で印象的なアクションを積み重ねていく渋い良作。

ミッキー・ローク演じるヤクザ紛いの上司も、ただ柄が悪いだけではなく、ちゃんと土壇場で助けてくれるし、相手の証拠に対して反証するしかない淡々とした法廷で、投げられた書類を見ずにキャッチするとか、
証人が立ち上がる時にマイクをずらすとか、細かい動作が格好良い。

あと、法廷以外の展開が山盛りになっていたのも印象的。
特にデイモンと後に恋仲になるクレア・デインズを虐待しているDV夫との格闘シーンが無駄に派手なのは強烈。
特に理由の無いDV夫のパワーが、あらゆる家具を投げ飛ばしながらマット・デイモンに襲い掛かる。
ぶっちゃけ、「アンブレイカブル」や「ザ・キラー」より凄い格闘シーンだった。

仮住まいをさせて貰っているおばあちゃんの家の庭仕事をしたり、映画を豊かにする細部がしっかり在ってその上で大企業を相手にした裁判も燃えるしで色々詰め込んでいるのに130分ちょいに納めるコッポラ、すげぇなと。
ラストで相棒が長くて暗い階段を降りる様を見守るのも印象的。