うにたべたい

D-WARS ディー・ウォーズのうにたべたいのレビュー・感想・評価

D-WARS ディー・ウォーズ(2007年製作の映画)
4.1
Filmarksの評価は低いですが、見てみたら面白かったです。
序盤の長い回想シーン、運命を託された割には逃げることしかしない主人公、ラスト間近の謎の神殿から漂うB級臭、チープなシナリオなど、ダメなポイントはあるにはありますが、個人的にはそれらを包括して、良作だったと思います。

聖なる大蛇「イムギ」と邪悪な大蛇「ブラキ」が暴れ回る怪獣映画。
作品の雰囲気としては、ファンタジー色の強い内容だと思います。
韓国の古い伝説で、500年に一度、運命の女性が誕生する。
彼女は天井に住む大蛇を龍に変えるヨイジュという力を持ち、悪い蛇が龍になると世界は亡び、良い蛇が龍になると世界は救われると言われている。
テレビレポーターの「イーサン」は、FBIの捜査現場をレポート中、そこで巨大な爬虫類の鱗のようなものに触れ、自分が500年前、ヨイジュを宿した女性を守り、共に命を落とした戦士の生まれ変わりだと告げられた過去を思い出します。
同様に500年前にヨイジュを宿し、現世でもまたヨイジュを宿した証である龍の形の痣を持った女性「サラ」。
イーサンはサラを探し出し、ブラキとその軍勢からサラを守る決心をするというストーリー。

2007年韓国映画なのですが、舞台はロサンゼルスで、主人公たちも白人が演じており、あまり韓国映画という感じはしないです。
本作の見どころはとにかくCG映像駆使した迫力ある特撮シーンですね。
ビルほどもある巨大な蛇が家や街を破壊して、車を蹴散らしながら走り回って1人の女性を追いかけるシーンなどは、迫力が凄かったです。
また、500年前のブラキの軍勢、鎧兵達や大砲を担いだ巨大獣、大量の翼竜が蘇りロサンゼルスの街を襲い、それにアメリカ軍が対抗して戦争状態になるのですが、そのシーンはもう本当に凄い、圧巻の一言。
このシーンだけでも、本作を見る価値は十分あると思います。
また、ラスト近くのイムギとブラキのバトルシーンも凄まじく、怪獣映画として大満足の内容でした。

一方でシナリオは確かにチープで、壮大なオープニングに比較して余りに捻られていない印象があります。
500年前の戦士の生まれ変わりと言っておきながらイーサンはブラキから逃げの一手で、正直、なんの為にいるのか分からないです。
追いかけてくる怪獣や敵軍と戦うのはイーサンではなくアメリカ軍で、そりゃあビル程もある大蛇にただの人間が立ち向かえなんてのは現実的に無茶ですが、それでも戦うから映画になるのではないかと思うのですが。

米国の有名なレビューサイトで軒並み酷評されたことでも有名な作品ですが、私的にはそれほど悪くなかった、むしろ良かったと思いました。
世界的には興行収入は奮わなかったですが、韓国内では大ヒットとなったわけで、実際のところ面白いかはやっぱり観ないと分からないということですかね。