みきわめとおる

チャップリンの黄金狂時代のみきわめとおるのレビュー・感想・評価

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)
5.0
山下達郎さんが、僕らはアトム(鉄腕アトム)のこどもさ!と歌ったように、

僕らは、淀川長治さんのこどもだった。

「鉄道員」(ピエトロジェルミ)や、
「エデンの東」(ジェームスディーン)や、
「太陽がいっぱい」(アランドロン)の名
 場面のサウンドトラックが流れ、終わるや
 いなや、軽快で楽しげな、「あなただけ
 今晩は」(ビリーワイルダー)のテーマ曲
 が流れ、「淀川長治ラジオ名画劇場」の始まり始まり〜

淀川さんの絶妙な語り口は、
思春期に、少年から大人に変わる私を魅了した。
そして、
チャップリンのことは全部淀川さんが教えてくれた。
チャップリンの黄金狂時代が製作された1925年、淀川さんは16歳。まさに少年から大人に変わる繊細な時期にこの映画を観て、
生涯数万本の映画の中で、必ずベストテンに入れておられた。

私が大阪の北野劇場で、ビバ!チャップリン連続リバイバル上映第5弾で観たのは、
1975年。13歳だった。
50年前(大正15年!)の白黒サイレント映画に、大阪で一番の封切り映画館が爆笑で揺れていた。

今私たちが観るサウンド版で、ナレーションを担当しているのは、なんとチャップリン自身。そしてその吹き替え版では、寅さんこと
渥美清さん(熱烈なチャップリンファン)が担当している。

恋するチャーリーが、彼女の為に演じたロールパンのダンスはチャップリンのベストアクトの一つ!
山小屋での危機一髪シーンは、ドリフのコントに多大な影響を与えた。

淀川さん、今もチャップリン映画には新しいファンがたくさんたくさん生まれていますよ。どうぞご安心くださいませ。

それでは次のレビューをお楽しみください。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。