みきわめとおる

出来ごころのみきわめとおるのレビュー・感想・評価

出来ごころ(1933年製作の映画)
4.0
模倣は創造の母である。

びっくりした。

小津安二郎監督の喜八は、
山田洋次監督の『馬鹿まるだし』の
松本安五郎やないかい!
または、あの『男はつらいよ』の車寅次郎やないかい!

学はないけど、情にはとことんあつい。
せっかちで、ピントがずれてて、すぐカッと
なるけど、とことん心根は優しい。
美しいマドンナにすぐおか惚れしてしまう。

小津安二郎監督の松竹で助監督修行を積んで、生涯小津安二郎監督を敬愛し続ける山田洋次監督。
対して小津監督を否定して松竹ヌーベルヴァーグと呼ばれた
改革急進派の大島渚監督、吉田喜重監督、篠田正浩監督とは全く違う映画道を歩んだ山田監督。

いや、どちらの道も素晴らしい。
それぞれがおのれの信じた道を突き進んだ。

馬鹿まるだしで、男はつらいよ。
だから、喜八も、安五郎も、寅次郎も永遠に愛される。