みきわめとおる

竜二のみきわめとおるのレビュー・感想・評価

竜二(1983年製作の映画)
4.5
伝説の映画、「竜二」
今まさに製作から40周年で記念リバイバル上映されている。

アングラ演劇の主演俳優だった金子正次が1981年1月、同劇団の解散公演の楽日に大量に吐血し病院に担ぎ込まれる。一命は取りとめ、既に手遅れの状態の末期の胃ガンと診断されたが、本人には最後まで病名は伏せられた。

無二の親友、松田優作が表舞台で大活躍する中、金子正次も自分の生きた証を銀幕に刻み込む為、命をかけて「竜二」を残した。

暴力シーンゼロのヤクザ映画、「竜二」。
フワッとヤクザの足を洗ってみたがー

命を削って作り上げた「竜二」は絶賛されたが、その上映の最中に金子正次は松田優作に看取られて33年の短い一生を終えた。

奇しくも、命日11月6日は金子正次、松田優作二人の命日となった。

1984年1月14日、大阪梅田東映ホールで「竜二」上映後、この映画の監督川島透さん、映画監督大森一樹さん、同映画主演女優永島瑛子さんで「金子正次を偲ぶ会」が催された。
そこで私は川島透監督のいる前で、質問させていただき、「金子さんは、病気でなければ自分で監督もしたかったのではないでしょうか?」と、とんでもなく失礼な事を言った。

大森一樹監督は、「君、失礼やぞ。」と即答されたが、川島透監督は、「うん。そうだと思います。」と答えられた。

伝説の映画、「竜二」
松田優作に負けないくらい凄い役者がいた。