ベビーパウダー山崎

16歳 妖精の部屋のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

16歳 妖精の部屋(1977年製作の映画)
3.0
私は何者なのか?答えのない答えを探し求める少女の旅のような映画だった。加藤彰が得意とするトラウマありきの過去へのイメージは抑え気味。少女の成長を映しながら、若い男を刺した母親の逃避行のくだりなど映画はのらりくらりと寄り道を繰り返すロマンポルノとしては長すぎる90分。唐突に始まる裸祭りで少女が男根のような大木にまたがったまま映画はふいに終わってしまうが、これは少女が大人になる最後の通過儀礼を描いているのだと思う。次から次へと盛りだくさん(加藤彰の映画で時折描かれるロブ・グリエ的な性の遊技としての黒人Fuckもある)で退屈はしないが、物語としては焦点がブレにブレているので、上級者向けの加藤彰映画。田舎、自然ありきの撮影となると、キャメラはもちろん姫田真佐久。