オーウェン

推手のオーウェンのレビュー・感想・評価

推手(1991年製作の映画)
4.0
人間の機微ということでいけば、やはりアン・リーの演出はこの監督デビュー作から際立っている。

舞台はアメリカだが、4人家族の妻はアメリカ人。
そして祖父は台湾人であり、尚且つ太極拳の使い手でもある。

この家庭内のギャップこそ描きたいものであり、妻と祖父は互いの言語をしゃべれないという居心地の悪さ。
これを会話や仕草だけで見せていくのだから退屈になりそうなものだが、そこはアン・リーの演出力。

朱老人の決断にはある種の荘厳さも見えるが、単なる不幸話にならないのは有り難い。
オーウェン

オーウェン