パトレイバーが押井守の描く東京ならば、AKIRAは大友克洋の描く東京。
どちらも、都市開発や地上げにより、失われつつあった東京がたくさん出てくる。
AKIRAの連載が始まった1982年。終戦からわずか37年。現実の東京はビルが林立する大都市に復活した。AKIRAの東京も同じく、崩壊から37年後の2019年を舞台にし、復活している。
だが、どこか空虚な快楽が街を支配している。
発展しつくしたなか、日本は次、どこへ向かうのか。
迷いがセリフにも現れる。
「あらゆる面で、この街は飽和状態にある。熟し過ぎた果実じゃ。中に種を宿したな。あとは、果実を落としてくれる風を待てばいいのじゃ。アキラという風をな」
やはり大友克洋は一度、現実の軽薄なる東京をぶっ壊したかったのだろうか?
超能力バトルは、後のドラゴンボールのようでもあり、ネオ東京の街並みも数多くのSFでリメイクされている。
マンガ界ではAKIRA以後と評されるように、時代を決定的に変えてしまったマンガ・アニメ。
何度見ても面白い。