喜連川風連

アキラ AKIRAの喜連川風連のレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.0
パトレイバーが押井守の描く東京ならば、AKIRAは大友克洋の描く東京。

どちらも、都市開発や地上げにより、失われつつあった東京がたくさん出てくる。

AKIRAの連載が始まった1982年。終戦からわずか37年。現実の東京はビルが林立する大都市に復活した。AKIRAの東京も同じく、崩壊から37年後の2019年を舞台にし、復活している。

だが、どこか空虚な快楽が街を支配している。

発展しつくしたなか、日本は次、どこへ向かうのか。
迷いがセリフにも現れる。

「あらゆる面で、この街は飽和状態にある。熟し過ぎた果実じゃ。中に種を宿したな。あとは、果実を落としてくれる風を待てばいいのじゃ。アキラという風をな」

やはり大友克洋は一度、現実の軽薄なる東京をぶっ壊したかったのだろうか?

超能力バトルは、後のドラゴンボールのようでもあり、ネオ東京の街並みも数多くのSFでリメイクされている。

マンガ界ではAKIRA以後と評されるように、時代を決定的に変えてしまったマンガ・アニメ。

何度見ても面白い。
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