広島カップ

デッドマン・ウォーキングの広島カップのレビュー・感想・評価

デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)
3.5
殺人罪で死刑が確定し服役中の男(ショーン・ペン)はある尼僧(スーザン・サランドン)に会いたい旨の手紙を送ったことにより、死刑執行のその時まで刑務所内での二人の交流がはじまる。

死刑制度の是非をめぐり加害者と被害者双方の気持ちを描き、その狭間で揺れる尼僧の姿を通して色々と考えさせられる作品。
終盤まで自分はやっていないと男が主張する展開は、真相は何かという謎解きの要素も含んでいて目を離せません。

尼僧は罪の有無に関わらず人の命の尊さに軸足を置いていて結局最後まで男の傍に立っていましたが、命の尊さと言えば被害者サイドも同じわけでそんなに簡単な話ではなく尼僧の心も揺れますし、それに合わせて観客の心も揺れてしまいます。

明らかにこれは結論を簡単には出せない問題で、彼を死刑にすべきか否か?は意見対立が避けられない永遠に個人的な判断に委ねられる問題。
本作は"赦し"というかなりキリスト教的な考え方を中心に構成されて話が進みます。

その一部始終を二人の心の触れ合いを通じて観せてくるのですが、観客としては興味はあるけど「困っちゃう」し「弱っちゃう」し「悩んじゃう」。
そんなこんなアレやコレやを考えているウチにその時間が近づいて来てしまい、死刑囚はその場に向かって歩いて行ってしまうのでした。
たった123分じゃ無理です。
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