まりぃくりすてぃ

黒猫・白猫のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

黒猫・白猫(1998年製作の映画)
4.0
トイレ我慢みたいな、落ち着きのなさすぎる映画。 
「ちょっと一息つかせてよぉ……」と開始30分にして大脳生理学的に弱った私。でも、普通に健全に親切に上品に「緩急」がついたら個性なくなっちゃいそうだし、このテンポはシナリオの自信不足のゴマカシかしら、と戸惑いつづけた。どこの国の作品か知らないけどこんなの観てる私は映画迷子だよぉ、そのうち秀作難民になっちゃうぅー、と胸底ブツブツしてた前半。

でもね、ブラスバンドエンドレスも多動性もそのままなんだけど、後半の結婚式場面で、ちょっとは面白くなった(+理解がグッと進んだ)。そこからのスラップスティックには、そろそろ受け入れてあげよっか、とホッペをゆるめた私。まるで反則カウント無視しつづけの悪役プロレスラーにいつしかだんだん声援送りたくなっちゃってくみたく。
そして終盤。……あれ? もしかして傑作???? 役者の一人はウンチまみれだけど! 決定的重大反則展開(ジイジイズのとこ!)を、もはや私は爆笑してyu-ru-su!!


今日自殺しようと決めてる人に、「どうか、一日だけその決行を延ばして、この映画を大スクリーンで観て。最後まで観てくれたら10万円あげるから。そのお金で何か好きなことして、それからでも遅くないでしょ?」と優しさを注いだらどうなる? 映画の終わりにその人は、あまりにもすべてがバカバカしくなって、死にたい気持ちまで楽しく吹っ飛んじゃうかもね。責任は持てないけど。