このレビューはネタバレを含みます
上々の小津安二郎初体験。
いい映画はどれだけ年月が経とうと朽ちない。これは名作。
田舎のじいちゃんばあちゃんが息子たちに会いに東京に行って帰ってくるだけの話といえばそうなんだけど、その中に良いところも悪いところも全部引っくるめた“家族とは”みたいなエッセンスがこれでもかと詰め込まれていた。
観終わった後からじわじわボディブローのように沁みてくるスルメ映画。ちょっと寝かしといてまた観たくなる干しいも映画でもある。
じいちゃん役の笠智衆がめちゃくちゃ良い。おばあちゃんもええし、息子や娘たちも皆キャラ立ってて良き。
特にじじばばコンビが微笑ましい。二人してうちわパタパタしてるのかわいい。
ばあちゃん×紀子、じいちゃん×紀子のくだりはうるっとくる。
▼その他雑感
*最初はなんだこの大根を超えた大根!?と戸惑いを隠せない棒読み芝居だったものの慣れると全然気にならなくなった。
*昔の人の声、喋り方ってなんでこんなに味があるんだろう。
あと、この時代の女の人の色っぽい喋り方、癖になる。
*長男が声も顔も感情こもってなさすぎてなんだか怖い。ほんのり薫るサイコ臭。
*長女の人間味ありまくるキャラよ…
「お兄さん、喪服持っていきます?」の時の顔!その顔だよ!
*東京に来てからのじいちゃんの台詞、「あぁ」が9割くらいでは?笑
*旅館の部屋汚っ!笑
何したらあんな埃?たまんねん…
*紀子さんぐう聖(泣)
*あり↓がとぉ↑のイントネーション好き。
▼日常で使いたい台詞📎
“どうも昔から飲むといかんですばい”
“いやあねえ、世の中って。
そう、いやなことばっかり”
優しげな顔と哀愁漂う猫背がたまらなくてすっかりおじいちゃん役の笠智衆のファンになっちゃいました。
ちなみに女性軍団の中では京子ちゃん推しです。