このレビューはネタバレを含みます
トルーマン・カポーティの伝記モノ。
きっかけとなるカンザス州の一家惨殺事件で
「誰」が殺されたのか、家族写真だけで表現している。
棺を前にした時の呼吸音は誰のもの?
無音の中に響くそれに気を取られ、棺の中を見ると恐怖と好奇心がそそられる。
取材を進めていくうちに、カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)にとってペリー(クリフトン・コリンズ・Jr.)が
興味の対象→取材の対象と変化し、最終的には友情のような愛情のようなものを抱く。
「作品」のためには彼を殺さなければならず、
「友」のためには彼に生きていてほしいと願う。
取材をしていくうちにペリーは「自分と同じ」だと感じたから、
カポーティの葛藤する姿に酔いしれ、
涙する姿と刑が執行される瞬間は呼吸を忘れた。
作中でのアルヴィン・デューイ(クリス・クーパー)のセリフ、
「事件を起こした犯人が冷血なのか、それともそれを描く作家が冷血なのか」
見終わってから自問したくなりました。
どっちなんだろう?って。
息ができないと思うようなそれであり、
気が狂うくらい映画漬けになりたいと思い込まされるような、
そんな映画でした。