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戦場のメリークリスマスのぴよぴよのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
3.8
Netflix「浅草キッド」で柳楽優弥の見事なたけしを観たら、「Merry Xmas Mr.Lawrence」と満面の笑顔で叫ぶホンモノのたけしが観たくなって、タイムリーなクリスマスイブの夜に鑑賞🎄

改めて観ると、大島渚監督の16年後の作品「御法度」に状況設定似てない?

男ばかりの捕虜収容所(新撰組)に、美しい男性デヴィッドボウイ(松田龍平)が現れた事によって起こる不協和音。

ジャワ島の日本軍捕虜収容所長ヨノイ大尉(坂本龍一)は、捕虜となった陸軍少佐ジャックセリアズ(デヴィッドボウイ)の凛とした美しさに魅せられていく自分を抑える事が出来ない。

一方で粗野な軍曹ハラ(ビートたけし)は、流暢な日本語を操るロレンス中佐(トムコンティ)と不思議な友情を育んでいる。

この2組の男達の感情の揺れと、捕虜に対する日本軍の残酷な待遇と、セリアズの幼い弟に対する後悔の思いが入り乱れる。

戦争映画なのに、戦闘シーンは一切なく、出演者は男性のみ。これは戦争映画じゃない。昔観た時より強くLGBTの要素を感じるのは、自分が大人になったから?

坂本龍一の辿々しさも妙に生々しく、たけしの存在感も際立つ。

デヴィッドボウイの佇まいはヨノイならずとも魅せられる。回想シーンのハイスクールの制服姿は必見💕

シンプルなメロディを繰り返す坂本龍一の音楽が冒頭から魅力的🎶ラスト…そのメロディがたけしの顔のアップと共に流れると、何故か胸に迫って来るものがある。


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おまけの一言

最初のキャスティングのオファーは、デヴィッドボウイの役をロバートレッドフォード、ニコラスケイジ。坂本龍一の役を三浦友和、沢田研二。たけしの役を緒形拳、勝新太郎。トムコンティの役はジェレミーアイアンズだったのだそうです。

それぞれ断られたりスケジュールが合わなかったらしいけど、結果この組み合わせは新鮮で良かったんじゃないかな?

ここからたけしは映画監督への道を進み、世界のキタノになったのだから🥰
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