ベイビー

戦場のメリークリスマスのベイビーのネタバレレビュー・内容・結末

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

この映画の存在感は、本当に凄まじいです。
演出、脚本、キャスティング、音楽、そして映画の画角から滲み出る張りつめた空気。その全てが見事に調和し、唯一無二の作品になっています。

この作品の全てが、あの印象的なハグのシーンをピークとするために仕組まれた演出と構成とするならば、本当に鳥肌がたってしまいます。

そして最後のビートたけしが笑って終わるシーン。明朝処刑される原元軍曹が笑って「メリークリスマス」とローレンスを見送ることによって、戦争という極限の中で生まれた、偏った精神や許さない愛や不思議な友情という、言葉だけでは表させない、人間の難しさや感情の深さをうまく表現している象徴的な終わり方だと思います。

こんな映画は、今の日本人が作ろうとしても絶対に作れないでしょう。だからこそ作品としての輝きが、今になっても失われない理由だと思います。
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