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ノッティングヒルの恋人のYouのレビュー・感想・評価

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)
3.0
なんでそんなに弱腰やねん…。
一回ブチギレてやればいいのに。
ブチ切れていいポイント少なくとも3つはあったぞ。
タッカーナメられてんぞお前。
でもお前もお前でもう少しハッキリ喋れよな。
いくら咄嗟のことでも「開けるな!!!」くらい言えるでしょ。
アナがそれでも「うふふ❤またまたぁ❤」とか言って開けちゃうパープリンだったとしても、それはそれや。やるべきことはやろうや。

ヒロインに人格的な奥行きを感じなかった。
美人の人気女優以上でも以下でもないキャラクターだと思った。
タッカー視点の物語だからということもあるが、主人公側の描写は丁寧な一方で、ヒロイン側の内面の動きは描かれず、なんで主人公を好きになったかわからない。
最初のキスシーンには頭が「???」となった。
なんかめっちゃ好いてくるやんこの人???

まあ、アナを取り巻くシロウトさんたちがこぞって、

距離感ゼロでマブダチ宣言してきたり、
言われるまで顔も知らなかったくせに言われた途端「大ファンです」言い出したり、
他の女優と間違えてたくせに「大ファンです」言い出したり、
あの女はスキモノだとか言い出したり、
興味先行でパパラッチしてきたり、

な連中ばかりというちょっとやり過ぎな設定を見るに、
「私が有名人だからってミーハーするわけでもなく、のぼせ上がることもなく、吹聴するでもなく、畏まるでもなく私利に走るでもなく、一個人として接客してくれたタッカーだけが、私を人として見てくれた」
といったあたりなのだろうけど(でも客商売の人は大抵、芸能人が来てもそういう対応するんじゃないのか?)
そのへんの機微はふっとばされて、
普通なら絶対接点がないような憧れの世界的ハリウッド美人女優がなぜか目の前に現れ、なんかうまいこと再会して、なんかうまいこと、うまいこと、(中略)、なんかよく分からんけどめっちゃ好かれた、という単なる一発大逆転シンデレラボーイ話に見えた。

と、貶しまくってはいるが、
名作とされるのもなんとなくわかる気がするのも事実である。
多分この映画は公開された時代に観ないと良さがわからないものの一つなんだろうな。
ケータイもインターネットもない、芸能人が天上人だった頃の時代に。
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