すっげえ
なにがすっげえのかよく分からないがすごかった。
超上級科学なのと、超上級陰湿糾弾会なのと、それをやってるのが超上級エリートクラスなのと、仕上げにノーランフィルムなのとでぶっちゃけ2割くらいしか理解できなかった。
（ので、パンフを買った。）
でも、この理解力にもかかわらず3時間があっという間だったので、良質な映画だったと言える。
もう一回観たい。
エビバディ割引デーの常識的な開幕時間にもかかわらず観客が私一人だったので、もう一回観るなら早く行かないと公開終了しちゃうよぉ…
日本からは、ヒロシマ・ナガサキの惨状をもっとしっかり描けとの感想も上がったようだが、オッペンハイマーの伝記作品としては別にそこは主眼じゃないからその必要はないんじゃないかな。
自分のこの受け止め方を、自分でもどう解釈してどこに収めればいいのかわからないのだけど、ポツダム宣言を見据えたロスアラモスの爆発実証実験の、膨らみ広がっていく炎の塊に、人知を超えた美しさを見てしまった。
実験成功後のアメリカ人たちの称え合いには興味が湧かなかったので、私はただ「広がる炎」に美を感じたのだと思う。
原子力の理論確立や爆弾の制作は人の手によるものだけど、
そこで起きる化学反応は、あくまで自然科学の現象なのだと感じた。
人間の成果ではあるのだが、
人間が手を出して良いものなのか。
だけど、科学…というか、この世界の仕組みを明らかにしたいという知的好奇心を非難することは、自分にはできないなと思った。
そうかと言って、新型兵器の開発と利用を容認することも自分にはできない。
人間社会に権力闘争は避けられない。
知的研究とその成果の政治利用を切り離せれば一番良いのだが、使える成果が生まれれば使われない道はない。
そして科学界に限らず、世界は単なる個人の知的好奇心には資金を出さない。
人の純粋な知的探求
人の純粋な正義感
人の純粋な権力欲
ヒューマニズムってなんなんやろなあ。
あと、「ノーランが撮ったオッペンハイマー伝記」くらいの前情報で観に行った私はエンドロールでビックリしたんだけど、めっっさ知っとる名前出とったやんけ！
ロバート・ダウニー・Jrにも、
マット・デイモンにも、
ジョシュ・ハートネットにも、
おまけにゲイリー・オールドマンにも
観賞中一切気づかなかった。
というか、なんなら俳優が演じている創作だということを観賞中忘れていた。
みんな役者や…
さすがはアタイが見込んだ役者たちだね…
