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泥棒成金のMASHのレビュー・感想・評価

泥棒成金(1954年製作の映画)
2.5
ヒッチコックに中でもミステリー色が薄い作品。ストーリー自体はミステリーだが、それ以上にケイリー・グラントの軽妙な会話が魅力的。ただ、そこ集中しすぎていて肝心のミステリーがなかなか進行しないのが気になった。この監督の作品にしては緊迫感が薄く、無駄にスローペースに感じてしまった。

ケイリー・グラントが自分が宝石泥棒として疑われているから、真犯人を見つけて疑惑を晴らそうというのが大筋である。彼のやること全てが裏目にでて、逆に疑われることになっていく。そういうもどかしさがある中での会話の連続は楽しいのだが、前半はその軽妙な会話やグレイス・ケリーの美しさをみせるのに時間をかけすぎている気がする。後半になるにつれて、それまでユーモラスだったケイリー・グラントが徐々に怖くなるのはとても良かったが。

あとグレイス・ケリーはめちゃくちゃ綺麗なんだが、正直結構うざめのキャラなのだ。ケイリー・グラントが泥棒だということを知って誘惑したのに、自分の母親の宝石が盗まれたと思うと急に態度を一変させて「泥棒よ!」と罵り始める。その後勘違いと分かって謝りに来たと思ったら「あなたを愛してる」などと言い始める。勝手すぎやしないか?これは脚本家が女の人を舐めているとしか思えない。

ヒッチコックの作品の中では珍しく、"役者をみる映画"という印象が強い。ケイリー・グラントの軽妙ながらスマートな会話、そしてグレイス・ケリーの圧倒的な美しさをみる映画なのだ。前者はすごく楽しめたが、僕は後者はストーリーの邪魔なような気がしてしまった。『裏窓』のように彼女の美しさがストーリーに生かされているわけでもないので余計にだ。ヒッチコックの作品の中でも評価が高いが、個人的にはそうでもなかったかな〜
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