円柱野郎

白鯨の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

白鯨(1956年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ハーマン・メルヴィルの同名古典小説の実写化作品。
主人公・イシュメルの目を通して、捕鯨船船長のエイハブが自身の片足を奪った白鯨"モビー・ディック"への復讐心に取り憑かれ、追跡に執念を燃やす様を描いたドラマ。

様々な作品で引用される古典なので、ストーリーはあまりにも有名。
エイハブ船長は、巨大な目的に立ち向かう執念の男でもあり、自分の復讐心に執着するあまり、部下である船員全員を犠牲にした男でもある。
エイハブと白鯨の関係は、表裏一体の復讐心の固まりとも見て取れるし、やはりストーリーは奥深い。
この映画はそんな深いストーリーを真摯に映像化していて、見応えがあった。
ただ、エイハブ船長の造形としては、演じるグレゴリー・ペックは少々二枚目過ぎないかとも思ったけどね。

再現された19世紀の捕鯨シーンはその捕鯨技術が興味深い。
当時の命がけの漁が分かるね。
漁のシーンは実写とミニチュアによる特撮で構成されていて、まあ特撮部分は人形に見えるっちゃあ見えるけど、50年代当時の特撮としてはこれで十分かと。
ラストの白鯨との戦いも個人的には迫力があったと思う。
円柱野郎

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