パピコ

ペパーミント・キャンディーのパピコのレビュー・感想・評価

3.0
線路の上に立ち自殺をした男性。
最後の叫び声は「戻りたい!」
彼が死に至るまでの過程、人生を時系列とは逆に振り返っていく。

初見は正直惹かれなかった。
主人公は終盤まで嫌な奴だなと共感することもなく、ずっと嫌悪感を感じながら見ていた。
光州事件での出兵によって人格が変わるのが終盤にわかり、印象が変わったものの惹かれなかった。
その後に解説等を読んで時系列順にエピソードを振り返ると印象が変わった。

純粋な青年が兵役・警察での仕事で汚れていく様、結婚後の夫婦のいざこざ、落ちぶれ死を選ぶ様を追ってみると人生の壮大さを感じた。

誰もがこのような人生のストーリーを持っている。
ターニングポイントだけではなく、日々は選択の連続。列車の線路みたいに前にしか進めず過去に戻ることはできない。
どんな人の人生でも美しいストーリーがあるのではないかと思った。

映画としては逆戻りのため分かりにくく、ストーリーの繋がりに頭を使ってしまい感情が動かなかった。テーマは好きでした。

主演の演技もすごいと思った。同じ役者とは思えないくらい映画内で人格顔つきが変わっていった。
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