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デルタ・フォースのsugasanのレビュー・感想・評価

デルタ・フォース(1985年製作の映画)
2.7
アメリカの象徴、現人神チャック・ノリス主演の国威高揚映画の傑作。

絵に描いたようなアラブ系テロリストにハイジャックされたATW282便の人質を救うという名目でチャック・ノリスがテロリストを殲滅する一見ただのバカ映画だが、イスラエル出身のメナヘム・ゴーラン自ら監督を手掛けているせいか、アラブ側の複雑な情勢や人種差別などが意外としっかり描かれている。

役者として素人に近いチャック・ノリスをサポートするためか地味ながらも豪華な俳優陣を揃えているため、ノリス不在時も見応えのあるドラマが展開し退屈させないが、やはり本作の見どころは後半のチャック・ノリス無双。

かすり傷ひとつ負うことなくテロリストをサーチ&デストロイしていく姿は、地上最強の生物チャック・ノリスの面目躍如であり観客の期待にしっかりと応えてくれる。

特にテロリスト幹部にわざわざタイマンを挑んで叩きのめしてからミサイル葬に処すシーンの大人気なさは、これぞチャック全開といえる名シーンとなっている。

救助された喜びに沸く人質と、戦死者を出し沈痛な面持ちで立ち去るデルタ・フォースを対比させた苦いラストシーンは監督の複雑な想いを感じさせるが、爽快なアクションと政治ドラマが乖離してしまっており鑑賞後に微妙な後味を残すのが唯一の難点。
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