湾岸エリアに聳える超高級マンション”ビクトリアNo.1”銀行に勤めるOLチェンの夢は、このビクトリアNo.1の部屋を手に入れる事。その夢が破れた時、チェンは恐るべき行動に出る…というストーリー。
ジョシー・ホー主演の高層マンションで繰り広げられる惨劇をブラックユーモアと共に描くスプラッター・ホラー。
少女時代を地上げ屋の餌食になった下町で過ごしたチェンは、ビクトリアNo.1に住むことに異常な執念を燃やしていた。しかしどんなに働いても、不動産の価格は高騰を続け、彼女の夢はどんどん遠ざかってしまう。ようやくつかみかけた夢が遠ざかった時、彼女の執念は狂気と化す、という内容です。
かねてから評判だった香港スプラッターを漸く鑑賞しましたが、いやー、評判に違わぬスプラッター描写でしたね。
高級マンションの一室を手に入れることをずっと夢見て来た一人のOLが漸く掴みかけたそのチャンスを逃してしまい、マンションに侵入して殺戮を繰り広げるという物語ですが、やはりそのスプラッター描写が凄まじいですね。
冒頭から居眠りしてる警備員の首に結束バンドを巻いて、窒息寸前になった警備員がカッターで切ろうとして、首筋の皮膚をゾリゾリと刻んでいくシーンは、刃を滑らせる度に皮膚に赤い筋が刻まれていく所が背筋がゾクッとしますね。一室に押し入ってお手伝いさんの後頭部からドライバー刺して目玉がポーンッ!と飛び出したり、臨月の妊婦が破水してのたうつ所に頭からビニール被せて掃除機で空気吸い取って窒息させる所は中々に胸糞悪いですね。騒音ならしながら乱交とドラッグやってるチャラい若者達の部屋を襲撃するシーンも、ドア開けたドラッグの売人の腹に包丁突き刺して、指切り飛ばしながら腹裂いて内臓がボタボタ落ちたり、ビーカー首に突き刺してそこに血が溜まっていったり、悪酔いしてゲロ吐いてる女の頭便器に叩き付けたりと殺りに殺ってくれます。セックス中の男を背後からメッタ刺しにするシーンはCG使ってるのかわからないですが、なかなか上手く作ってあるなと思いました。ベッドの下に逃げ込んだ裸の女をベッドの上から狙って、木片を口に突っ込むのもエグくて良いですね。背中に男の血を浴びた女が「すごい出たね💗」と言ったり、切り飛ばされた無修正チ〇コがその横にポトリと落ちたり、木片口に突っ込まれた女や腹切り裂かれて内臓出た男が全然死なずにいたりとブラックなユーモアも良いですね。
殺戮劇の合間合間に、主人公の少女時代からの過去が回想シーンとして挟まれて、なぜ彼女がこのような凶行に至ったのかが明かされていきます。何故この高級マンションに執着しているのか、その為に何を犠牲にSて来たのか等が描かれ、特に仕事二つ掛け持ちしても経済的な問題で夢に辿り着けない所は妙にリアルで身につまされる感じがしました。ただ、この回想シーンが時間軸バラバラにした上にちょっと長くて冗長な感じ受けて、殺戮シーンに移行するまでもたつき感じてテンポちょっと悪く感じちゃいましたね。
主人公を演じたジョシー・ホーの鬼気迫る演技は素晴らしかったですね。プロデューサーでありスポンサーでもあり、お金持ちでゴア描写がおざなりになる事が無いように大金つぎ込んだそうで、気合入りまくってますね。チェンも身体能力が超人的というわけではない普通の人なので、結構犠牲者から反撃喰らって、頬を切り裂かれ、殴られ、蹴られ、首も絞められとボコボコにされます。特に踝に包丁突き刺されて悶絶し、それを抜くシーンは「あ痛タタタタ…」となりましたね。それだけの目にあいながらもまた立ち上がる不屈の闘志っぷりも凄いですね。
マンションを買う事が出来なかった逆恨みからの犯行かと思いきや、最後に明らかになる動機は「なるほどな」と思いました。まあ、犠牲者からしたらとばっちりもいい所には違いないですが。計画失敗で終わるかと思いきや、まんまと成功してマンション手に入れますが、その後のオチは皮肉が効いてて良かったですね。マイホームを手に入れて狂熱が冷めた彼女はあのニュースをどんな思いで聞いたんだろうか…
スプラッターファンなら一見の価値ありの作品ではありましたね。