ジーナ

シナのルーレットのジーナのレビュー・感想・評価

シナのルーレット(1976年製作の映画)
4.9
今宵、人間関係の絆を試す恐怖のゲーム"シナのルーレット"が催される...!

出張すると称して出掛けた夫婦だが、実は二人とも愛人と別荘で週末を過ごす事が目的であった。
しかし、娘のアンジェラは両親の浮気に気づいていた。
彼女の策略もあり、夫婦と愛人の4人は別荘で鉢合わせしてしまう。
気まずい雰囲気の中、アンジェラとその家庭教師トラウニッツが見物に別荘へやってくる...。

アンジェラの大人びたキャラが凄く好き。
まだ小学生ぐらいなのに男を誘惑するし、この4人のギスギスした雰囲気を楽しんでいる。
でも、実は悲しんでいるようにも見える。
片足が不自由で松葉杖なしでは歩けない設定は、支えなしでは生きられない女性の不自由さのメタファーなのではないだろうか。
そんなアンジェラに母親が殺意を抱いてからの展開が超面白い。
娘に銃口を向けるシーンは屈指の名シーン。

あちこちに鏡やガラスを張り巡らせた部屋を縦横無尽に動き回るカメラワークも流石ですね。
撮影監督はもちろん、ミヒャエル・バルハウス。
後に「グッド・フェローズ」、「ディパー・テッド」を撮ったのも頷ける。

そして、その夜、娘の提案で"シナのルーレット"が開催される事になる・・・。

このゲームが物凄く性格の悪いゲームでして、この映画の撮影現場ではファスビンダー達は実際に泊まり込みでこのゲームをやっていたそうですw

本作ではマーシャ・メリル演じるトラウニッツが一番好き。
彼女に感情移入しちゃうとニヤニヤが止まらない。
特に松葉杖を使ったダンスシーンは、ゴブリンっぽい電子音楽も相まって非常に魅力的w
ジーナ

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