ひろぽん

名探偵コナン 世紀末の魔術師のひろぽんのレビュー・感想・評価

3.8
劇場版『名探偵コナン』3作目

ロマノフ王朝の財宝「インペリアル・イースター・エッグ」を巡り、怪盗キッドから盗みの予告状が届き、悠然とエッグを盗んでいく怪盗キッド。その直後、飛行していた怪盗キッドが右目を撃たれ突如失踪。コナンたちはエッグの謎を無事解き明かすことはできるのかという物語。


冒頭から怪盗キッドのキザな登場シーンが惚れ惚れするくらいカッコいい。
あゆみちゃんに向かって手にキスをするキッドの紳士ぶりがイケメン。

“飛び続けるのに疲れて羽を休めていた、
ただの魔法使いですよ、お嬢さん”

そして、タワマンの高層階に住む裕福な家庭で育つあゆみちゃん。

「黄昏の獅子から暁の乙女へ 秒針のない時計が12番目の文字を刻む時 光る天の楼閣からメモリーズ・エッグをいただきに参上する」
🎩🕊🤍

12ヶ国でキッドが
盗んだ宝石の数はのべ152点
被害総額387億2500万円
と破格の数字をたたき出している。

大阪の鈴木近代美術館、豪華客船、横須賀の古城と3つの舞台で展開されていく。劇場版初登場のキッド、灰原、平次、和葉、高木刑事などの初期メンバーが登場する豪華な回でもある。

волшебник конца века
=The Last Wizard Of The Century
=世紀末の魔術師

地下室に眠るエッグまでの謎解きが難解であり、巧みな細工がまさに世紀末の魔術師の様で面白い。

右目を狙うスコーピオンとコナンが対峙する時に、蝶ネクタイ型変声機を使い戦うフィナーレが凄い。小五郎や白鳥警部補など様々な声を使うが、スコーピオンによって殺された人の声も使うから犯人からすると恐怖と驚きを隠せないんだろうな。コナンを助ける時にキッドのトランプ型の銃が使われていたから変装相手が分かる仕掛けになっていた。

腕時計型麻酔銃が使わずにコナンが自力で謎を解いていくのも良い。

ロシアの歴史に基づいた内容になっており、実際にインペリアル・イースター・エッグが実在するとのこと。50個製作されたものに51個目があったとしたらという着想から本作が作られたのだと考えると面白い。

グレゴリー・ラスプーチンや、ニコライ2世の第3皇女・マリアは実在した人物。ロシア革命時にニコライ2世の家族は全員殺されたとされていたが、皇太子アレクセイと皇女マリアの遺体が見つかっていないことから、実は生き延びていたのではないかという説が存在していた。だが、2007年にロシアのウラル地方で2人のものと思われる遺体が見つかり正式に発表されたことにより、本作と設定の齟齬が出てしまった。

公開当時は謎に包まれたままだったと思うと感慨深い。

コナンを新一だと疑う蘭の悲しい表情が忘れられない。
ラストにキッドが新一として登場してコナンを助けるシーンが最高!白い鳩に包まれて飛び立っていく演出も好き。
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