セリフの三分の一くらいは何言ってんだか聴き取れないが、そんなことはどーでもいい。とにかく、この大らかさ、明るさ!
いちばん好きなのは、父ちゃんを探して美恵子が二日も家を空けてても、家族の誰一人心配するどころか、ようやく帰ってきても叱るでもなし呑気にパイナップル食いながらフツーに迎えちゃうところ。あの力の抜け具合に嬉しくなってしまう。
照りつける太陽に焼ける大地、潮風に揺れる深い緑の木々、パイナップル畑。南の島の芳醇な生暖かい空気の香りが漂ってきそう。あんなにボロいホテル・ハイビスカスだけど、夜になるとネオンが真っ赤に灯るのがとても印象的。
これだけ大らかなハイテンションを失うことなく、さりげなく戦争、基地、米軍といった沖縄の負の歴史をも想起させる、そのサジ加減も素晴らしい。