原作には原作のいなたい味わい、今作には今作の洗練されたエンタメ感がある。
もはや大ベテランの域に差し掛かったジャッキーの、それでも格好良い相変わらずな格闘はもちろん…試合着をもらって「ブルースリーみたい!」とはしゃぐジェイデンや、「見るな、感じろ」というジャッキーの台詞など、過去のカンフー作品へのリスペクトもたっぷり。
あとやっぱり映画における魅力の一つしての光と影の捉え方が、今作は素敵だった。
影絵のシーン、修行のシーン、こうしたところにこだわりを感じられて、ただのエンタメよりも映像作品として2倍3倍と良い作品に思えた。
個人的には中国語を頑張ったジェイデンへのジャッキーの「ロケンロー」という台詞が渋くて好きだったのと、ヒロインの女の子が大人っぽくて、これぞチャイニーズビューティー(チャーリーズエンジェルの人とかも好き)って感じで可愛いかったなぁ。
そして何より大スターウィル・スミスの息子であり、おそらく今後の映画界を引っ張ることになる、ジェイデン・スミスとジャッキー・チェンが師弟役として共演というのがすごく良かった。
もちろんこの映画は、師匠に修行してもらって空手や今回はカンフーで闘いに強くなる話。そのプロセスやテンポも良い。
ただ、この修行に多くの映画ファンは…俳優としてのノウハウを教え教わる師弟の姿を重ねて観たのではないか。
僕だけじゃないはず。
そして劇中同様、ジャッキーが教え伝えたことに精一杯の演技でジェイデンは応えていたとも思う。1人の俳優として。
いつか立派になったジェイデンが語る、ジャッキーのエピソードに耳を傾ける時が来たら、映画ファンとしてはたまらないはず。