Otun

白いリボンのOtunのレビュー・感想・評価

白いリボン(2009年製作の映画)
4.5
観れてなかったハネケ作『白いリボン』。

田舎の村で起こる、犯人の分からない陰湿な事件の連続。
狭い格差社会の中で生まれる、膿。
閉鎖的な村での物語なので『ドッグヴィル』とかと少し通じるのかな。


冒頭。
誰かにより張られた針金で、落馬し、大怪我を負うドクター。
そこから村の日常の中に違和感の様な緊張が生まれる。
そして、息子を誘拐された男爵の礼拝での演説。その辺りから、針金のテンションをじわじわと張っていく様に不穏な物語がひたひた進む。
なんかカラッとしたモノクロ映像なのに、やたら湿度高く感じます(笑)。


終盤。男爵夫人の言葉。
『ここを支配しているのは、悪意や嫉妬、無関心や暴力よ』。
そりゃ、イタリアだわな。行くわな。


全ての監督の意図を理解できたかはハネケ作だし大分あやしいですが
まー、とにかくハネケはやっぱスゲーと思いました。
んで、やはり、全く人には勧められない。
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