女性として生きるって、母として生きるって、何だろうな…と考え込んでしまった。女性ならではの繊細な感情がひとつひとつ手に取るようにわかり、虚しくなった。
客観的に見ると、男と女の構図は分かりやすいのに、自分の事になると途端に見えなくなったり。
あの田舎町で暮らす女性の 孤独、自分の存在価値、些細な感情の変化…。 長いこと連れ添い、言わなくても分かると思っている男性に対し、意味を求めてしまったり、何か物足りなくて空虚なものを抱えたまま変化のない毎日を生きている女性は沢山いると思う。そんな人が大半だとも思う。
以前から観てみたかったが、不倫物だとは1ミリも知らなかった。昼顔を観たばかりなので、迂闊に綺麗だったと心境を吐露するのは色々と渦巻く感情と隣り合わせでできない。それでもやっぱり綺麗だった。何故なら 家庭を壊す事なく、静かに愛を貫いているから。身勝手だけど張本人だけ傷付いていたのが救いかな。
『どんな努力も惜しまず 幸せを掴んでください。 人生はとても美しいものです。』
これに気付けるのは、きっと人生を振り返れる時。生きながら一瞬一瞬を振り返る事はなかなか出来ないし、突っ走るか立ち止まるかしか ないのが人生だとも思う。
いい加減(良い加減)で生きれてる人なんて、居るのだろうか…
人の人生にまた自分を重ねて 学びを得た。
無機質な存在に見えたイーストウッド演じる男性が心を剥き出しにした時が一番驚かされたが、人を心から思える瞬間に年齢や時間や環境は関係ないのだと思った。
離れて居る日々の日常が見えなさ過ぎるのでいくらでも美化できてしまうけど、綺麗なお話でした。
映画のような人生はなかなか日常にはないけど、自分を重ねて教訓にする事が出来る映画は、自分にとって意味を持ち非常に好きです。
変化を恐れる私にとって、なるほどなぁ…と思わせてくれた作品です。