東朴幕院

わたしを離さないでの東朴幕院のレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
3.8
ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ原作の映画化。医療が飛躍的に進化し平均寿命が100歳を超えた時代の話を回想していく。
2010年の作品であるが、ケリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイが瑞々しい演技で好演している。
ネタバレなのかストーリーの本質と捉えるべきか迷う所であるが、ある犠牲の為に生きている主人公たちの宿命とそれを淡々と受け入れざる得ない社会に恐怖を感じる。それと同時に彼らに魂があるのなら暴動も起こせたのでは、と思ったり。そもそも、そういう教育は排除されて来たのかもしれないと思いととてもやるせない気分になる。
脚本に以降『エクスマキナ』『アナイアレイション 全滅領域』で監督としてもブレークするアレックス・ガーランドが務めており、これらの作品との関連も見逃せない。
二人に学生の時に何故、絵画を提出させていたかを説明するシャーロット・ランプリングの冷たい眼差しが印象的だ。
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