ひでやん

ローマの休日のひでやんのレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.4
再鑑賞。

ローマを訪問した某国の王女アンが、宮殿を抜け出し新聞記者のジョーと出会うラブロマンス。

ティアラに首飾りにドレス姿の美しいお姫様に憧れる女性はいるだろう。しかし、お姫様のアンは過密なスケジュールにうんざりし、庶民の生活に憧れる。

ジョーが住む安アパートのベランダから人通りを眺め、「こんな所で暮らせたら素敵ね」と言うアン。

結局は無い物ねだりだと思う。地位や名誉や財産はあるが自由が無かったり、自由はあるが金がなかったり。

欲すれば満たされず、感じれば満たされるのが幸福なのかもしれない。

多くの人に心配をかけるから黙って宮殿を抜け出すのはいけない。しかし、アンは外出許可などもらえぬ籠の鳥。24時間だけ大空を自由に羽ばたいてもいい。

庶民が一日だけ王族の生活を体験したなら、公務の大変さを少しだけ分かると思うし、アンのように逆もまた然り。

庶民の生活に触れながら、失った「青春」を探す。

永遠の妖精と呼ばれるオードリー・ヘップバーンが永遠の都ローマを巡る。

トレヴィの泉、ジェラートを食べるスペイン広場の階段、オープンテラスのカフェ、コロッセオ、真実の口がある教会など、アンと一緒にローマを観光している気分になった。
ひでやん

ひでやん